HIV/エイズ基礎知識

HIVとエイズの正しい知識

セクシャルヘルスをアップデートしよう

HIVとエイズの正しい知識を得ると自身の性感染症の予防や、パートナーとのコミュニケーション、
性に対する考え方や、HIV陽性者との関わり合いなどへの理解が深まります。

HIVとは ウイルスの名前で、ヒト免疫不全ウイルスというのが正式な名前です。HIVに感染して適切な治療を受けなかった場合、だんだんと体の免疫機能が低下し、通常の免疫力がある時には感染しないような病気になってしまいます。そうした病気が発症してしまった状態のことを、エイズ(AIDS)と呼びます。エイズの指標疾患として、23の病気が指定されています。HIVは、ウイルスの名前。HIV感染から免疫が下がり、指標疾患のどれか1つでも発症した状態のことをエイズといいます。

HIVに感染しても、適切な治療を受けていればほとんどエイズを発症することはありません。HIVは免疫力を弱めるウイルスですが、進行の速度や症状には個人差があります。適切な時期に治療を開始するためには、HIV感染の早期発見が重要なので、感染が心配な方はHIVの検査を受けるとことをお勧めします。

HIVは、HIVに感染している人の体液の中に含まれます。その中で特に感染力のある体液は、血液、精液、先走り液(カウパー氏腺液)、膣分泌液、母乳 の5つです。これらの5つの体液が、自分の粘膜や傷口に直接接触すると、HIVに感染する可能性が出てきます。

HIV感染の主なルートは、
(1) 性行為による感染、(2) 血液を介した感染、(3) 母子感染
の3つです。
(1) 性行為による感染
性的接触を通じて、上記の体液(特に血液、精液、先走り液(カウパー氏腺液)、膣分泌液)が口腔粘膜・膣粘膜・ペニスの先の尿道口・直腸などの粘膜や傷口(粘膜の炎症による傷や性行為中に伴う傷など)に直接触れると感染の可能性があります。コンドームを使用しない場合や性感染症がある場合にリスクが高まります。ただし、治療を受けていてウイルスが十分に減っているHIV陽性者からは、性行為ではHIVに感染しないということが知られています。
(2) 血液を介した感染
薬物の使用などで注射針を共有することによって、感染の可能性があります。ただし、医療機関での注射針は、使い捨て(ディスポーザブル)のものを使用していますので、医療機関で感染の心配はありません。
(3) 母子感染
母親がHIVに感染した場合に、妊娠中・出産時に胎児に感染する可能性があります。また、出産後、授乳によっても感染のリスクがあります。これらは、適切な処置・対応をすることで感染を防ぐことができます。

HIVは、日常生活では感染しません。

HIV感染の8割以上が性行為による感染です。HIVの感染を予防するためには、性行為の際に正しくコンドームを使用するのが有効です。最近では、性行為の前に、HIVの治療薬を服用することでHIV感染を予防する曝露前予防内服 『PrEP』という方法もあります。詳しくは→PrEP in Japan
コンドームの使用やPrEPなどを組み合わせて行うコンビネーション予防が推奨されています。
そして、性行為をしないという選択肢も予防の一つとなります。

HIV感染予防には個々の行動が重要ですが、社会的な取り組みや政策の支援も不可欠です。性教育の充実やアクセス可能な医療サービスの提供が、全体的なHIV感染予防につながります。

HIV感染症の治療は、お薬を内服する治療になります。HIVを抑えこむ薬を飲むことで、免疫力を回復・維持することができます。今は、1日1回1錠でよい内服薬や、注射での治療も可能になりました。

北海道大学病院にはHIV診療支援センターがあり、一般の方や医療者に向けてHIVの正しい情報をお伝えするホームページを作成しています。

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